豊田合成株式会社第2回 動脈硬化予防啓発イベント

運動で血管を若々しく

実践!有酸素運動と筋力アップ

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実施日時
2008年 4月12日(土) 13:30~15:30
場所
稲沢市民会館 大ホール
(〒492-8145 愛知県稲沢市正明寺3-114)
参加
豊田合成株式会社 社員・家族 434名(地域住民 若干名)
講師
島本 和明(札幌医科大学教授)
久野譜也(筑波大学大学院准教授)
最上あおい (健康運動指導士)
司会
宮川泰夫(元NHKアナウンサー)

実施概要

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当日は434名の社員およびそのご家族と若干の地域住民が参加。井形昭弘動脈硬化予防啓発センター運営委員長ご挨拶、豊田合成株式会社 武井芳明取締役の健康イベント実施についてのご挨拶のあと、司会の宮川泰夫アナウンサーによる導入説明、高血圧セルフチェックでイベントはスタート。島本先生による動脈硬化のしくみと高血圧についての解説、久野先生による運動による効果の講義があり、参加者は熱心に視聴した。引き続き最上先生によるオフィスや家庭でできる筋トレ実践の方法の紹介。そして最後に2人の講師による、Q&A(質疑応答)を行い終了した。

実施した啓発イベントの内容 (実施順に)

(1) 会場参加者全員で高血圧セルフチェック
島本教授の講演に先立ち、宮川アナウンサーより配布パンフレット左上のチェックシートを用いて全員が自分の高血圧危険度を調べた。(※資料:パンフレット)

あなたは予備軍? 高血圧セルフチェック

あなたは予備軍? 高血圧セルフチェック

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(2)動脈硬化と高血圧
島本 和明 先生(札幌医科大学教授)

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動脈硬化のしくみについて動画を用いて解説。
動脈硬化の危険因子:高コレステロール血症、喫煙、高血圧、メタボリック・シンドロームについての解説
動脈硬化が原因で起こる病気:脳血管で起こる脳卒中。心臓を取り巻く冠動脈で起こる狭心症、心筋梗塞。腹部の大動脈が腫れてコブ状に腫れる腹部大動脈瘤。腹部から下の、足などの血管に起こる閉塞性動脈硬化症。
血圧が高いと動脈硬化の原因となる血管を物理的に傷つけることから、血圧は非常に重要ということで、血圧について解説。上の数値、下の数値の意味、正常な血管と動脈硬化の血管の違い、高血圧になる理由、仮面高血圧等について解説。
宮川アナウンサーによる血圧測定の実演
正しい測定の方法についての解説

メタボリック・シンドロームについての解説
メタボリック・シンドロームの診断基準の中の、血圧は「正常高値血圧」という、高血圧予備軍の値。血糖も「境界型糖尿病」という糖尿病予備軍の値。いずれもいわゆる病気ではないのだが、これらが重なると病気と同じぐらい危険になる。それがメタボリック・シンドロームであり、特定保健指導の対象者となる。 日本で最も頻度が高いのが高血圧であり、高血圧から身を守ることが必要。守るためには血圧を測定し自宅での血圧と病院での血圧とあわせて把握していくこと。それと食事と運動により生活習慣を“今日から”変えることが重要となる。

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(3)会場参加者全員で自己チェック
「運動不足チェックシート」を用いて全員が自分の運動不足度を調べた。
(※資料:運動不足チェックシート)

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(4)動脈硬化予防の運動は、1に有酸素運動、2に筋トレ!
久野 譜也 先生 (筑波大学大学院准教授)

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「運動不足チェックシート」を用いて全員が自分の運動不足度を調べた。
(※資料:運動不足チェックシート)

  • 運動で行う動脈硬化予防での重要点
    (1)歩くことは足し算、(2)歩くと(有酸素運動)、動脈が柔らかくなる、(3)1週間単位でモニターしよう

確実にメタボを予防するためには
科学的に確認されている組み合わせを実践すれば、必ず成功する。メタボ予防は究極的な寝たきり予防である。脳卒中と転倒骨折は運動と食事でコントロールするとかなりの確度で予防が可能。

運動で行う動脈硬化予防での重要点
(1)歩くことは足し算、(2)歩くと(有酸素運動)、動脈が柔らかくなる、(3)1週間単位でモニターしよう

動脈硬化予防には筋肉が必要
動脈硬化予防には有酸素運動だけでは不足。筋肉が減っていることがメタボに影響する。生活の中でのエネルギー消費のうち、生活活動による消費は30%ほどで、70%は基礎代謝の量。基礎代謝のおよそ4割を筋肉が占めるから、基礎代謝は筋肉が影響している。筋肉量を増やすにはウォーキングでなく、筋トレが必要。

ライフスタイルをかえるだけで、減量が可能

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(5)『今日から挑戦!簡単筋トレ』
最上 あおい 先生(健康運動指導士)

「運動不足チェックシート」を用いて全員が自分の運動不足度を調べた。
(※資料:運動不足チェックシート)

筋トレを効果的に行うためのポイント
呼吸は止めずに行う
ゆっくり動かす

ステージの配置変更後、筋トレの実施
豊田合成 安全健康推進部の方5名が壇上で実演。配布パンフレットの裏に載っている運動を「2」「3」「4」「1」「5」の順で実践しました。

1.両足上げ筋トレ

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2.中腰筋トレ

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3.腰引き筋トレ

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4.足上げ筋トレ

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5.腕立て伏せ筋トレ

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以上、5種類の筋トレの実演を実施

(6)質疑応答

事前質問2問のほか、会場から2問質問を受けるなど、参加者と講師による活発な質疑応答が行われた。

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(質問1)ジョギングと散歩ではジョギングの方が効果が大きいと思われるが、年齢が高くなるとジョギングはきつい。散歩で効果を上げるための歩き方を教えて欲しい。
(久野先生)
まず、メタボの内臓脂肪を取るということではゆっくりとした動きの方が脂肪は燃えやすいということを覚えていて欲しい。歩くことでも充分効果があるが手を振るとより消費するエネルギーが増えるので手を振ることを勧めます。歩幅を気にするよりは足し算で歩数を増やす方が重要。

(質問2)高血圧者は朝の運動を控えた方がいいというのは本当か。
(島本先生)
ジョギングを提唱していたホワイト先生という人が朝ジョギングをしていて心筋梗塞で亡くなられた。朝は寝ている状態から身体が目覚める段階にある。寝ているときは交感神経、ノルアドレナリンが落ち着いている(少ない)状態。それが起きるときは身体が活性化するためにホルモンがどんどん出てくる。人によってはホルモンが過剰に上がりすぎることで朝6時前後から急激に血圧が上がることがあり、そのときに走るとさらに血圧が高くなり心筋梗塞になりやすい。できれば朝早い運動は勧められない。やむを得ずやる場合は血圧を測って問題ないことを確認してから行う。血圧が高い方は避けた方が無難。ウォーミングアップをしっかりやって、目覚めてすぐにやるのは避けるべき。

(質問3)筋トレは負荷が軽い方が効果があり、トレーニングジムのような負荷の大きいものはよくないのか?
(久野先生)
介護保険に筋トレが入ってきており、高齢の方にも筋トレが必要だというのが今の考え方だが、絶対にやっていただきたくな い方は高血圧の方。血圧の高めの方は必ず筋トレを行う前に測定してから行うことが必要。それから、強い負荷をかければ筋肉は増えやすい。ただし血圧は上がるし関節を痛めるやすい。現状を評価して自分にあったプログラムを行うことが基本。

(質問4)血圧を測定すると非常にばらつきがあるが、それは測定器の誤差か、血圧にばらつきがあるものなのか?
(島本先生)
まず、大事なことは、血圧は心臓が1回動く1回ごとに測れる。したがって人間は24時間で9万回測れることになるが、そのうちの1回を見ているという事を忘れないで欲しい。血圧は毎回変わる、変動はあるという事を前提にすること。それから、1回目は自分で測ってもストレスがかかってあがりやすい。ですから、1回測って、2回目に測ったときに10以上下がることはよくあること。ガイドラインでは2回測って10以上差があるときはもう1回(3回目)測って、上と下それぞれが10以内の差になったときの平均をとろうということになっている。数値が動くのは機械や本人が悪いわけではなく、血圧は動いているものなので、3回、4回測定して安定した2回の平均を取ることを原則にするとよい。

・・・など、参加者と講師による活発な質疑応答が行われた。

イベントへの反響など

印象に残った話、感想等
運動は足し算で行えばよいということ
簡単筋トレがおもしろくよかった、今日からやろうと思いました
白衣血圧と仮面血圧について、血圧の上と下の理論、血圧の話はよくわかりました
20分以上の運動が必要という神話がくつがえってよかった。足し算なら歩けると思ったので、頑張りたい。
食事だけのコントロールだけではダメなことがわかった
運動することは大変なことだと思っていましたが、簡単にできることから始めることが大事であることを認識しました
簡単筋トレがおもしろくよかった、今日からやろうと思いました
最低血圧が高いのを気にしていたが間違っていたこと
食事制限だけでは筋肉が落ちる
宮川さんの身体を張った司会が大好きです
最新の情報が聞けてよかった
「明日から」ではなく「今日から」の島本先生の言葉が印象に残った

 

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